任意整理後の返済を1か月滞納してしまったらやるべきこと

専門家に任意整理を依頼した後、返済が順調な方は良いのですが、中には事情が変わってしまい、返済が苦しくなってしまったという方もいるのではないでしょうか?
任意整理は一般的には3年、長いと5年と返済が続く手続きです。任意整理した当時より収入が減少してしまった、失業してしまったなど、これだけ長い年数があれば収入事情が変わってしまうことは、決してめずらしいことではありません。

では、任意整理による返済ができなくなってしまうと、どのような事態に巻き込まれてしまうのでしょうか?というわけで今回は、任意整理の返済を滞納するとどうなってしまうのか、そしてその対応策についても詳しくご説明していきます。

任意整理したことが水の泡に!任意整理後に返済を滞納するとこうなる

任意整理後の返済を滞納し続けていると、具体的には以下のような流れになります。

1.1か月の滞納は黄色信号
2.2か月の滞納は懈怠約款を破ることになり、一括請求される
3.任意整理による再和解を検討しなければならない
4.3か月以上の滞納は専門家に辞任される恐れがある
5.裁判や支払い督促などをされてしまう

1か月の滞納は黄色信号

任意整理後の返済を1か月滞納するのは黄色信号です。

もし、滞納しそうな場合は、支払いが遅れることがわかった時点で早めに借入先に連絡するようにしてください。もし、任意整理後も専門家との委任関係が続いている場合は、必ず専門家に連絡しましょう。そして、「いつ頃支払うことができそうか」を伝えましょう。
支払いが多少遅れるくらいであれば、専門家が貸金業者側に連絡を入れてくれるので、それほど心配する必要はありません。支払えるタイミングで支払うようにしてください。
ただ、1か月丸々返済できないのであれば、最低でも次回の支払いタイミングで2回分を振り込むようにしてください。2回分振り込めるのであれば、その時点で滞納は解消できますし、その後の返済になにか悪影響が起こることはありません。

2か月の滞納は懈怠約款により一括請求される

任意整理後の返済を2か月滞納すると、懈怠約款により業者側から一括請求されます。
懈怠約款(けたいやっかん)とは、支払うべき金額を分割で支払う約束をした場合に、支払いを怠ったときのペナルティを予め決めておくことです。任意整理の場合は、返済2回の遅延があった場合に、「期限の利益を失う」といった懈怠約款を付けるのが一般的です。
期限の利益というのは、簡単に言えば「返済を待ってもらえる利益」のことで、これを失うということは、貸金業者から一括請求を受けてしまうということです。

任意整理による再和解を検討しなければならない

懈怠約款を破った以上、このままでは一括返済しなければなりません。しかし、もちろん一括払いなど対応できるはずがありません。こういった場合、まだ専門家が間に入っているのであれば、貸金業者とは「再和解」できる可能性が十分にあります。貸金業者として、滞納されていることは問題視していますが、専門家と連絡さえ取れているのであれば、即座に裁判や支払い督促といった手続きに着手することはまずありません。また、すでに専門家との委任関係が終了している場合であっても、別の専門家に依頼してすぐに再和解を検討するか、後述するような「他の債務整理手続きを検討する」という選択を取りましょう。

3か月以上の滞納は専門家に辞任される恐れがある

専門家から再和解の提案をされているにも関わらず、それでも返済をせず、3か月以上滞納を続けてしまうと、専門家には辞任されてしまう恐れがあります。
専門家との委任関係が終了するということは、貸金業者からの直接連絡がはじまるということです。任意整理前と同じように、貸金業者から電話や郵便物などで督促を受けることになります。このままでは、任意整理したことがすべて水の泡になってしまいます。

専門家との委任関係というのは、いわば信頼関係と同じです。返済するといったのにしなかったり、連絡の取れない期間が長引けば、信頼を失ってしまうのは当然ですよね。どうしても返済が難しいのであれば、しっかりとその旨を伝え、打開策を提案してもらいましょう。

訴訟や支払い督促などをされてしまう

専門家に辞任されてしまったまま、貸金業者に対して返済をせず、連絡もしないといった対応をした場合、訴訟や支払い督促などの裁判手続きに着手されることになります。
もし、そのまま判決などを貸金業者に取られてしまえば、最終的には銀行口座や給与の差し押さえをされてしまいます。なんの前触れもなく銀行口座が0円になっていたり、勤務先に裁判所から差し押さえの通知が届くことになれば、最大で手取り額の2分の1を毎月差し引かれることになってしまうのです。

こうした事態に巻き込まれないためにも、任意整理後の滞納はすべきではありません。

放置は厳禁!返済が2か月滞納しそうなときにやるべきこと4つ

返済を2か月滞納しそうになった場合にやるべきことは、以下の4つです。

1.副業などで収入を増やす努力をする
2.リサイクルショップやフリマアプリを活用する
3.周りに頼んでお金を借りる
4.他の債務整理手続きを検討する

上述したとおり、2か月の滞納は一括請求されてしまうという、いわば区切りのタイミングです。ここさえ超えることがなければ、今まで通り返済を続けていくことは十分可能です。余裕のあるタイミングで後れを取り戻せば良いだけの話ですからね。

副業などで収入を増やす努力をする

返済を滞納するということは、単純に収入が足りていない可能性があります。
そこで、副業などで収入を増やす努力をする、というのはとても大切なことです。たとえば、本業の空いた時間にアルバイトをすれば、その稼ぎをすべて返済に充てられるはずです。
また、昨今ではインターネットを活用した副業は数多くありますし、あまり効率が良いとは言えませんが「内職」や「ポスティング」といった、時間に縛られずに副業収入を得る方法だってあります。とはいえ、身体が資本ですので、あまり無理をして体調を崩してしまうことがないよう、気を配りながら収入を増やす努力をしてみましょう。

リサイクルショップやフリマアプリを活用する

一時的な収入減少であれば、リサイクルショップやフリマアプリを活用して、不用品を処分し、それを返済に充てるというのも良い方法と言えるでしょう。
自身の所有物を手放すのは心が痛みますが、時間さえかければお金は貯めることができます。いずれ買いなおすことも十分可能なので、今は滞納解消を優先させましょう。

周りに頼んでお金を借りる

どうしても自力での滞納の解消が難しい場合は、周りに頼んでお金を借りるというのも1つの手ではあります。ただ、借金を借金で返すというのは、正直なところあまりおすすめできる方法ではありません。もともと、このような自転車操業のような返済を続けていたため、任意整理へと至った経験がある方も多いのではないでしょうか?また、任意整理の経験があるということは、すでに個人信用情報機関に事故情報が掲載されており、新たな借入が非常に難しい状況です。ただ、貸金業者ではない家族や知人、友人であればお金を借りることは十分可能です。苦肉の策ではありますが、どうしようもないときは検討しましょう。

また、勤め先によっては給与の前借制度を採用しているところもあります。積み立て型の保険契約がある方は、「契約者貸付」といって解約返戻金の一部を借り入れられる制度もあります。任意整理後でも、お金を借り入れる方法はまったくの0ではありません。

絶対に闇金業者からは借入しないように

ただし、間違っても闇金業者から借金はしないでください。よく「ブラックOK」と謳っている業者は、そのほとんどが闇金業者の可能性が強いです。昨今では、「ソフト闇金」といって、対応が緩めの業者もたくさんあります。しかし、そのすべてが貸金業の登録をしていない違法な貸金業者であるため間違いなく高金利です。絶対にお金を借りてはなりません。

他の債務整理手続きを検討する

上記したいずれの方法も難しい場合は、任意整理による「再和解」、「追加介入」、もしくは他の債務整理である、「個人再生」、「自己破産」を検討しましょう。

任意整理による再和解

一度任意整理した業者であっても、収入事情が変わってしまったのであれば、再和解できる可能性は十分にあります。その時点の残高から再度の和解交渉をすることから、今までより確実に返済額を減らせるので、現在の収入で無理のない金額になるよう調整しましょう。

再和解については、過去に依頼していた専門家でも構いませんし、なんとなく気まずいと感じるのであれば、他の専門家に依頼しても構いません。

任意整理による追加介入

任意整理は、手続きの対象とする債権者を自由に選ぶことができます。
もし、最初の任意整理をした際に、手続きの対象から外していた債権者がいたのであれば、今からでも専門家に追加介入してもらうことで、毎月の返済負担を軽減できます。

個人再生

上記2つの方法というのは、返済額そのものが大幅に減額されるわけではありません。
多少金額が下がったくらいで滞納の解消が難しいという方は、個人再生を検討しましょう。個人再生は、裁判所経由で行われるため手続きは非常に煩雑なのですが、およそ70~80%の借金を減額できます。負債総額があまりに少ない場合は、減額率が下がってしまうのですが、任意整理による返済継続が難しい方にとって必ず大きな助けとなってくれます。

とはいえ、個人再生は減額されるといっても返済そのものは継続される手続きであるため、一定以上の収入がなければ利用できない手続きです。現在の収入状況の中で個人再生を利用できるかどうかについては、専門家に判断してもらってくださいね。

自己破産

個人再生による解決も難しい場合は、自己破産を検討するしかありません。
自己破産も裁判所経由で行われる手続きですが、すべての債務整理の中でもっともデメリットが大きい手続きとなっています。デメリットの大部分としては、一定以上の保有資産を失ってしまうという点です。家具家電といった生活必需品まで失ってしまうことはありませんが、自宅や自動車といった高価な資産は基本的に手放さなければなりません。

その他にも、積み立ての保険を解約しなければならなかったり、退職金見込み額の8分の1が配当に充てられてしまったりと、失うものがとても大きいのが特徴です。
しかし、その一方で借金を返済する義務が一切なくなります。一度任意整理で和解した借金についても、もちろん支払う必要がなくなります。

まとめ

任意整理の返済が遅れそうな場合は、わかった時点で借入先、専門家との委任関係が継続している場合は事務所にすぐ連絡を入れてください。1か月であればまだ遅れは取り返せますが、2か月以上滞納すると、一括請求されてしまうことになります。当然支払うことなどできませんし、そのまま放っておけば専門家に辞任されてしまったり、貸金業者から裁判手続きを起こされたりする危険があります。こういった事態に巻き込まれないためにも、滞納しても良いという考えは捨て、返済期日までの間にお金を捻出することに注力しましょう。
どうしても滞納解消が厳しい場合は、現在の返済計画そのものに無理がある可能性が強いです。いったんは滞納が解消できたとしても、またすぐ滞納に悩まされていては、任意整理をする前となにも変わらない毎日なってしまいます。そうならないためにも、早期の段階から長期的な視点で見るようにし、はやめに専門家に相談することをオススメします。

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